大分大学医学部小児科学講座

小児科専攻医の働き方とホンネ

続いて、小児科専攻医4年目以降の先生へ質問です。

大分での小児科専攻医研修でどのような学びが得られましたか?

西林:先輩医師が親御さんに説明する場に同席したことは、とても勉強になりました。親御さんたちに納得していただけるよう説明するのはとても難しいのですが、先輩医師のやり方を参考にしながら、時間をかけて相手との関係性を作ったうえで、丁寧な説明を心がけています。

若山:自分の手に負えるテリトリーが何となく分かるようになってきました。以前は不安で早い段階で相談してしまっていましたが、今はできる範囲までは確実に自分の力で解決するようにしています。
それから後輩の相談に乗ることで自分の成長を感じたり、先輩のやり方を間近で見て学べたりという経験ができるのは、当医局ならではのメリットだと思います。

西林:そうですね。目の前のことに集中するとどうしても考え方が偏ってしまうんですよね。先輩医師がそばで軌道修正してくださるのは、とてもありがたいです。

若山:いろいろな専門の先生がいらっしゃるので、直接お話を聞けるのはとても刺激になります。

小児科専攻医研修の前と後で自分の中で変化がありましたか?

西林:3年目までは、何をしていても先輩医師が当たり前にそばにいる状態でした。でも今は、自分が指導する立場になることがあります。もちろん、分からない場合は先輩医師を頼りますが、責任が増したことを感じますね。

若山:目の前のことを一生懸命という点は、昔も今も変わりません。でも、その先のことを考える余裕が少しずつ出てきました。

後藤:確かに…。私たちはまだ経験が浅いので、先のことを色々と予測するのは難しいですね。

西林:いろいろな症例と向き合って経験を積み上げていく中で、病状を予測できるようになっていくよ。経験をもとに、今後の見通しを親御さんに説明してあげられる。
あと、いくら手を尽くしても最悪の事態は起こりうるということも身をもって感じました。だからこそ、最大限の努力をすることが大事だと思います。

小児科専攻医研修の中で印象に残っているエピソードを教えてください。

西林:発熱の原因がわからなくて、さまざまな検査をした患者さんがいたんです。結局透析まで行うことになったのですが、その子が元気になって退院していく姿を見たときにはほっとすると同時に、とてもうれしかったですね。

若山:自分が担当していた患者さんで、残念ながら亡くなってしまった方の顔は今でも思い出します。うれしかったのは、NICUで担当していた患者さんに2年後別の病院で再会できたこと。こんなに大きくなったんだあ、と感動しました。

今後数年の展望を教えてください。

西林:まずはサブスペシャリティを決定することですね。将来的には、研究より地域で臨床に携わるほうが向いているのかなと思っています。

若山:私も地域医療に貢献したいと思っています。私は小学生のときに、難聴の友人をサポートしたいと思ったのがきっかけで医師になりました。難聴の分野に関しても、どこかで関われるタイミングがあればいいなと思います。

1~3年目の先生方へエールをお願いします!

西林:後藤さんとは一緒に働いたことがあるけど、しっかりしているのでそのまま頑張ってほしいと思います。
衛藤さんはオンコールで苦労されていると思います。でも外来は力が付くので、一日一日を頑張ってほしいですね。

若山:当医局には結婚、出産しても仕事を続けている女性の先輩方がたくさんいます。人生で新たなステップを迎えてもお互い仕事を続けて、将来的にも変わらず一緒に大分の医療を支えていけたら、と思いますね。

後藤&衛藤:もちろんです!よろしくお願いします。

後藤:女性が結婚、出産しても働けるモデルケースがたくさんあるという点も、この医局を選んだ理由のひとつです。サポート体制が整っているし、医局全体も配慮してくださる雰囲気にあるので、そういう点での不安はありません。ただ、今はまだ仕事以外の新たなステップに向き合う余裕が自分にあるのかという不安はありますが。

衛藤:背中を見せてくださる先輩がたくさんいらっしゃることは、本当にありがたいですね。

西林:僕はまだ独身ですし、僕自身が育休を取るという姿は正直想像できません。でも子育てをしながら仕事をしている女性を見るとすごいな、と思います。今のところは、妊娠・子育て中の女性も無理なく働けるようにサポート役に徹します!

インタビューお疲れ様でした!これからも頑張っていきましょう。
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